2012年のノーベル医学・生理学賞の受賞者に、
体のさまざまな組織や臓器になるとされる
iPS細胞を作り出すことに成功した
京都大学教授の山中伸弥さんが選ばれました。
ちなみにiPS細胞というのは、皮膚細胞に4種類の遺伝子を組み込んで、
あらゆる組織や臓器に分化する細胞の事をいいます。
この研究の、成果を発表したのが2006年。
かなり画期的なものだったらしく、今回の受賞を本命視していた人たち、
応援していた方々も多かったとか。
さぞかし、ご本人をはじめ、ご家族、応援されていた方々の喜びは大きいと思います。
山中教授といえば、あまりにも過酷な研究のため、
うつ病で仕事ができなくなったことで有名です。
心の病は、なかなか治りにくい病気です。
うつ病を克服したおかげでしょうか。
山中伸弥教授のノーベル賞は、うつ病の克服と、家族の支えがあってのものだったと思います。
それに、山中伸弥教授の心の支えとなった人の中にはこんな人物もいます。
それは、「やっぱりすごい先生。難病の研究が進むと思うとうれしい。」と今回の受賞に対し、
コメントを述べた中学3年の山本育海君(14)。
彼は難病を患い、山中伸弥教授と交流を続けてきました。
山中教授は、きっと、そういった子供達を救いたい、という想いや志の持ち主だったのでしょうね。
こんな逸話もあります。
研究資金が不足したときに、
2012年3月11日の京都マラソンで、
山中教授自身が完走することを条件にiPS基金への寄付を呼びかけたところ、
9日朝の時点で600人以上、金額は600万円以上の寄付が集まったそうです。
目的意識や実行力・行動力のある方なんですね。
ちなみに山中教授が医学を目指すきっかけは、
高校時代(大阪教育大学教育学部付属高等学校天王洲校舎に通っていた時)に、
徳田虎雄さん(徳洲会理事長)の著書『生命だけは平等だ』を読んだことだそうです。
それに純粋に生理学を愛する気持ちもあったのでしょうね。
そうでないと成し遂げられない偉業だと思います。
iPS細胞が実用化段階になった場合には、臓器移植などの分野でかなりの医学的応用が期待されています。
それに加え、難病の仕組み解明・新薬の開発に大きな貢献をするだろうとも言われています。
研究のためとはいえ、臓器を使用することはなかなか難しい中、
iPS細胞を利用することにより、臓器とほぼ同様の物で研究を進めることができるようになるのです。
実用化で、救われる方が増えていくことを願っています。
山中教授がうつ病を経験しながらも、
ノーベル賞を受賞されたことは本当に勇気付けられます。
努力が報われてること、人を救うために日夜没頭している人が認められることは、
素晴らしい世の中であるということでもあります。
受賞、本当におめでとうございます。
そしてiPS細胞の実用化により、一人でも多くの患者さんが救われることを祈っています。