文化庁が発表した「国語に関する世論調査」で、事実上の誤用(間違った使い方)の割合が本来の使い方を上回り、
多用されている実態が浮かび上がった。そして特に中高年ほど慣用句を誤用していると発表された。
調査では、「にやける」を本来の「なよなよとしている」という意味で使っている人が14.7%だったのに対し、「薄笑いを浮かべている」と答えた人は76.5%に達した。
今回の発表では、他に間違った使い方を多くされているものの例として5つあげられている。
①『煮え湯を飲まされる』・・・<正解>信頼していた者から裏切られる <誤用>敵からひどい目に遭わされる
②『うがった見方をする』・・・<正解>物事の本質をとらえた見方をする <誤用>疑ってかかるような見方をする
③『にやける』・・・<正解>なよなよしている <誤用>薄笑いを浮かべている
④『失笑する』・・・<正解>こらえきれず吹き出して笑う <誤用>笑いも出ないくらいあきれる
⑤『割愛する』・・・<正解>惜しいと思うものを手放す <誤用>不必要なものを切り捨てる
あとよくあるのが、「お疲れ様」と「ご苦労様」の使い方。
本来「お疲れ様」とは部下などが上司に対して使い言葉であり、「ご苦労様」は目上の者が部下などに対して使うのだが、
最近では、上司が部下などに対して「お疲れ様」と言ってしまうケースも多々あるとか。
丁寧な言い方だと思っていることが、
実は、相手にとっては、
本来の意味をなしていないことに気付いていない場合が多々あるのであると言える。
言葉の使い方ひとつでも、
会社やその人の信用や社会性あるいは知性を左右することにも繋がるので、使い方には注意していきたいものである。