「エレファント・マン」という映画をご存知でしょうか?
1980年に公開された実話を元に作られた映画です。
この映画のモデルとなったのがジョセフ・メリック(1862〜1890年)です。
ジョセフ・メリックは身体の異常な奇形から「エレファント・マン」と呼ばれ、知られた人物です。
ジョセフ・メリックは1862年、イギリスで生まれました。
子供の頃から身体が極度に奇形し始め、その変形された異様な姿は周囲に嫌悪感を抱かせ、
最後は母親からも見捨てられてしまいました。
その後、ジョセフ・メリックは見世物小屋で働き「エレファント・マン」として、名づけられました。
由来は、ジョセフ・メリックの象のような肌質感から、そのような名がつけられたそうです。
見世物小屋は、陰惨なイメージがつきまとうものでしたが、ジョセフ・メリックの後の回想によると、
そこでは”寛大に扱われた”といい、実際に自活できるだけの収入も得ることができたことを感謝しています。
しかし、社会的に見世物小屋を排斥する風潮が強まると、ジョセフ・メリックも職を失い、
以前に診察を受けたことのある医師フレデリック・トレヴェスによって保護されました。
ジョセフ・メリックの身体の症状としては、「骨格の変形」と「皮膚の異常な増殖」がありました。
皮膚には各所で乳頭状の腫瘍である「コブ」ができ、
特にに頭部や胴部は、たるんで垂れ下がってしまいました。
右腕・両脚もひどく変形肥大しました。
【ジョセフ・メリック】
ジョセフ・メリックはその後、20代半ばにロンドンの王室病院へ入院し、
27歳の時に、その病院で死亡しました。
遺体は彼の遺言により保存され、大英博物館にその骨格が収蔵されました。
ジョセフ・メリックの患った難病は、
「プロテウス症候群」という100万人に1人の割合で発生する、
非常に珍しい病気を発症してたのではと言われてます。
この、「プロテウス症候群」ですが、
わかりやすく説明すると、
生まれるときは特に異常はないのですが、
成長の過程で、頭部、手足など身体の一部が他の部分よりも早く大きく成長してしまう疾患です。
先進国では500例しか知られていない奇病であり難病でもあります。
ジョセフ・メリックの病気の謎を解明するため、
現在、彼の遺骨を管理するロンドンのクイーン・メアリー大学医科歯科学部が、
遺骨をDNA鑑定するプロジェクトをスタートし、病気(奇病の)解明を始めるそうです。
2012年内にメリックの遺骨からDNAを採取する予定で、
2013年後半には病気の原因が解明されるのではと言われてます。
現在のところ「プロテウス症候群」は原因が不明ですが、特定の遺伝子に変異があると言われています。
だから遺骨からDNA鑑定を行うのでしょうね。
ジョセフ・メリックは、自分の遺体を保存することで、
将来、自らが患った病気の原因の解明のために研究。利用して欲しいと生前、遺言を残しました。
そして、今回のプロジェクトチームが立ち上がったそうです。
近い将来ジョセフ・メリックの想い通りに、
この難病の原因が解明されて、治療方法や薬などが開発されていけば良いですね。
そして同じ難病を患う患者さんが救われていく事を願っています。
ジョセフ・メリックの遺してくれて想いに、敬意と感謝の意を表します。